2017年10月9日月曜日

2017総選挙 安倍9条加憲をどう批判するか?

様々な改憲議論があるのは承知だが、支配層側の本丸は9条であることは間違いない。
これまで日米安保の深化のもとで9条というのは障壁だった。
が、安保法制の制定により憲法改正しなくても米軍と自衛隊の軍事行動がかなり可能になった。
が、やはり保守政治家としての憲法、特に9条改正はなしとげたい。
そこで、9条の3項を書き加え、自衛隊を憲法上明記して、日米軍事同盟の総仕上げとして自衛隊の行動に歯止めを効かせない状態にする。これがこの選挙で問われる「安倍改憲」である。

この狙いを薄めるために、自分たちがこれまで無視してきた教育無償化や環境権など法律や政策により解決できる問題を憲法問題にすり替える。その勢力として維新・公明・希望との連携が必要になる。ここに補完勢力としての役割がある。そのためには安保・憲法問題で同じ必要性がある。

さて、総理自身は「安倍改憲」を「自衛隊を違憲という人たちがいるのでしっかりと書いて合憲とする」だけという。これに対し、「集団的自衛権を行使できる自衛隊を書き加えると、単に現状追認ではなく、2項が空文化し、自衛隊の活動に歯止めがかからなくなる。」と、難しいことを言う。それに対し、総理からは「そもそも共産党は自衛隊は違憲の立場では?政権に入ったらどうするのか?」「都合よくその時だけ合憲は失礼」など言われる。

選挙である。短い言葉の応酬である。

総理や歴代政府が合憲という立場。違憲だから合憲となるように変えるならつじつまが合うが、合憲と言っときながらわざわざ憲法を変える必要があるのか。

必要最小限度の武力=専守防衛以上のことを自衛隊にさせようとしているから自衛隊を憲法に書いて、新たな合憲の根拠にしようとしているのでは?

他人の立場を持ち出して、自らの本音を隠しているのではないか?

演説での言葉と討論での言葉。このあたりは整理する必要がある。

しかし、自衛隊を違憲と言っている唯一の政党、共産党(支持率一桁)にここぞとばかり多数保守政党が攻め寄る。それは、「自衛隊違憲論」が、政府の憲法解釈に歯止めをかけ、自衛隊そのものが「普通の軍隊」になれなくしてると考えてよいのではないだろうか。

9条の戦力不保持、交戦権の否認からあみだした自衛隊合憲の解釈は「自衛隊違憲論」があってこそと読み取れる。なら、いま本丸に乗り込んできた保守勢力を前に、戦後の保守政治家、法務官僚が編み出した自衛隊合憲解釈に「国家として悩ましい中で生まれたものとして理解はできる」と敬意を示すことでひとつ大人の対応をしたらどうか。

だからこそ、共産党が政権をとっても合憲の解釈と自衛隊の現状は維持する。なぜなら、自衛隊違憲合憲論と自衛隊解消が国民的な課題ではないから。共産党としては国民的課題から解決していくんだという政治姿勢をしっかり出せば良い。ただ、自衛隊違憲の立場の考えとして、国際情勢の変化と国民の合意の元、膨れ上がった解釈以上の実力をなくす「軍縮」に着手し、その後、さらに国民適合位の中で自衛隊を解消し、9条の完全実施をめざす展望をもっている。ということを述べてもいいのではないかと思う。

自衛隊違憲合憲論争ふっかけてくるのは、今の憲法解釈ではやっていけないことを自ら言っているにすぎない。やはり、この間の安保法制は戦後保守政治からも逸脱しているということではないだろうか。

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