2014年12月29日月曜日

共産党小選挙区戦略③ 2014総選挙の結果から その2

直接対決で20%台の得票ということは、相手は7割台の圧倒的勝利を収めている。これをどう打破していくか。

過去の共産党が当選した例を見ると、
96年京都3区 共産党・寺前巌(34.7%)vs自民(33.9%)vs新進(31.4%)
96年高知1区 共産党・山原健二郎(28.6%)vs民主(26.7%)vs新進(25.8%)vs無所属2人(18.9%)

今回の沖縄は共産党単独の戦いではなかったが、やはり沖縄の4選挙区中一番厳しい戦いだった。
14年沖縄1区 共産党・赤嶺政賢(39.8%)vs自民(36.6%)vs維新(23.6%)

共産党が小選挙区で議席を得るためにはまず、三つ巴の戦いに持っていくことがひとつの条件になる。今は野党の得票を割るとか批判もさせるが、いかに与党の得票を減らすかというところで共闘して戦うと、国民も白か黒かの二択以外の道を考えやすくなる。

どうやって得票を減らすか。それは院内外での共闘で、今の政権の考えや自民党政治ではこの国の未来がないことに気づいてくれる人を増やすことにつきると思う。

そして共産党は風穴をあけるためには三つ巴で30%台の得票をとること目標にすることだ。そしてそれは今回の選挙区で直接対決ではなくても20%台をとれたた選挙区、直接対決で30%以上の選挙区としてみてはどうか?

・埼玉2区(川口市) 自民(64.8%)vs共産(35.2%)
  自民新藤は元総務相。日本会議系。倒しがいがあるじゃないか。共産奥田は旧鳩ヶ谷市議、県議(補選当選のため来春の通常選挙には出ない)。
・東京6区(世田谷区一部) 自民(44.1%)vs維新(35.4%)vs共産(20.5%)
 自民は世襲、維新は江田みんなの党系の慶大出身。主張は共産党と重なることない。嫌共市民が今後どうなるか。区長は元社民衆院議員の保阪。落選中は狛江の共産党員矢野市長を応援も。共産岸は世田谷区議出身。来春の予定候補にはなっていない。
・東京9区(練馬区一部) 自民(54.1%)vs維新(27.4%)vs共産(21.2%)
  自民菅原は着々と地盤固めているのか。維新木内は民主→離党→生活・未来→落選→維新とたどり着く。共産原は反原発でやってきた人らしく、サポーターもできた。都議候補に回されなけれないいが・・・。
・東京12区(北区、足立区一部) 公明(41.6%)vs共産(21.4%)vs生活(18.9%)vs次世代(18.5%)
 公明党の東京唯一の選挙区。そして98年参院選で共産党が比例1位になったところ。3回目の共産池内が比例重複で当選。今回は自民も民主もいないところと話題に。反創価学会票は次世代田母神に流れたと思われる。 池内が議員バッチを手にし、地盤を作ることができるか。
・東京20区(東村山市、武蔵村山市、東大和市、東久留米市、清瀬市) 自民(52.1%)vs民主(24.3%)vs共産(23.6%)
 自民木原と民主加藤が争っていた。しかし、今回民主は国替えした竹田。共産池田は03年以降毎回立候補を続けてきた。今回の東京の小選挙区で得票率党内1位。この地域は共産党も強く都議も出している。
・千葉2区(千葉市花見川区、習志野市、八千代市) 自民(54.2%)vs維新(25.8%)vs共産(20.0%)
 ころころ当選者が変わる選挙区だったが、自民小林が得票を伸ばし2期連続当選。維新藤巻は比例復活ならず。共産小松は来春引退予定のベテラン県議。だからとれた得票か。
・神奈川2区(横浜市西区、南区、港南区) 自民(67.7%)vs共産(21.7%)vs生活(10.6%)
 ここは自民菅の岩盤。それに対し反共産党野党は生活の新人のみ。そこで共産元県議市議候補の三輪の得票が伸びた。三つ巴にはきつい。しかし、官邸を牛耳り、悪政の中枢人物を脅かす存在になると面白いんだが・・・。
・京都1区(京都市北区、上京区、中京区、下京区、南区) 自民(40.6%)vs共産(29.4%)vs維新(20.0%)vs平(9.5%)
 共産党が最重点区として狙う京都1区。96年は接戦だったが、自民伊吹が地盤を固め、強いと言われた共産党の地盤を民主なども食い始め、09年では民主平が当選。平はその後みんな→無所属。前回共産穀田を上回った維新は今回は下回った。高齢伊吹に対し、70手前の穀田も次が最後のチャンスか。
・京都2区(京都市左京区、山科区、東山区) 民主(50.4%)vs自民(28.3%)vs共産(21.2%) 
 全国で共産党1位と言われる左京区の組織率。96年こそ自共対決の接戦だったが、候補者を参院比例候補にし、その後、民主前原の地盤に。京都での共産党の力を落とした事案だと思う。その後の共産原は票を伸ばしきれていない。今回久々の20%台に。そろそろ本気の候補者を。
・大阪2区(大阪市阿倍野区、東住吉区、平野区) 自民(46.5%)vs維新(33.2%)vs共産(20.3%)
 自民左藤が世襲してきた地盤。共産山本は元県議で落選中。石井元副委員長の地盤だった。維新は候補者が落下傘であったが地元のためまだ一定の票を取れる。民主は2期連続候補者を出せていない。
・大阪3区(大阪市大正区、住之江区、住吉区、西成区) 公明(57.2%)vs共産(42.8%)
 公明が09年以外抑えている選挙区。共産渡部は前回民主新人を抑え2位。過去に00年に共産小林が7万票、33%を獲得している。小林は参院候補となり繰り上げ当選するも干される。
・大阪5区(大阪市此花区、西淀川区、淀川区、東淀川区) 公明(57.5%)vs共産(42.5%)
 ここも公明が09年以外抑えている選挙区。共産は東中の地元だったが、小選挙区では及ばず、その後落選中の山下芳生、引退後の地元市議が引き継いでいった。今回の石井も西淀川の府政候補だとか。力のある地域でも候補者が定まらないと活動も弱い。
・大阪6区(大阪市鶴見区、旭区、守口市、門真市) 公明(56.3%)vs共産(25.3%)vs生活(18.4%)
 ここも公明が09年以外抑えている選挙区。生活村上は09年民主で当選、12年は未来で比例、そして今回は共産を下回っている。共産渡司は市議落選中。
・大阪7区(吹田市、摂津市) 自民(43.2%)vs維新(36.1%)vs共産(20.3%)
 かつては民主藤村が当選していたが、小泉チルドレン(古い)の自民渡嘉敷が2期連続当選。藤村引退後民主は立て直せず、元キャンギャル維新上西が比例で2選を果たす。共産党も96年以来10%を維持し、20%台を回復。今後も活動を希望。
・兵庫8区(尼崎市) 公明(60.9%)vs共産(39.1%)
 09年以外公明が抑えている。田中康夫が議席を得るも維持できず、共産党もその時は10%を下回る。かつては県議二人を出していた地域という点で埼玉2区の川口と似ている。元議員藤木の後継となった庄本は60歳になった。
・高知1区(高知市一部、県西部) 自民(51.9%)vs民主(25.4%)vs共産(20.4%)
 今回から選挙区の地域が広がった。共産党の強い高知市だけの旧1区でなくなった点は共産党当選の可能性を遠のいた。自民中谷は国防族。民主大石は二回とも共産春名を上回る。共産党は比例四国と高知1区の闘い方の構想を描きられてない。

以上が三つ巴で20%以上、直接対決で30%以上の選挙区だ。この他にも兵庫2区は19.9%だった。また、18%台の「戦いの土台」を作った選挙区もある。こういった選挙区を比例とどう連動させるか。ポスターや掲示板、定期ビラなどどのような資金援助を立てるか。 日常的な宣伝活動をどうしていくか。このあたりを党中央が本気で支援していくことで「風穴」は開けると思う。
組織面からも小選挙区に対応させた地区委員会を広げていくなどすでに実践されているところから出来ると思うのだが。

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